俺だけのLovelyメイド
◇生涯のパートナー
──日曜日。
今日は、東條と香乃華さんの結婚式。
「……行きたくない」
ベッドの上に座ったまま、小さく呟く。
あたしは、東條家のメイドだから。
強制的に結婚式には行かなければならないらしい。
“待ってるから”
……あたしが行って、何になるって言うの?
こんなふうにしてまで、あたしに見せつけたいの?
──香乃華さんが、いるくせに。
あたしが行ったって、今さら居場所なんてない。
どうすることも出来ない。
その時、ベッドの側に置いていた時計のアラームが鳴った。
顔を上げて時計を見ると、7時を指している。
……もうそろそろ、準備しなきゃ。
のろのろと起き上がり、ベットから下りるとクローゼットの方へと足を進めた。