俺だけのLovelyメイド
連れて来られた先は、ステージの目の前の席。

……一番、近い場所。




「……あの、縁あたし……」

「良いから良いから‼
はい、ここに座って待ってて?」



縁は、無理矢理そこのイスにあたしを座らせようとした。
しぶしぶ、勧められたイスに腰を下ろす。


縁があたしの隣に座り、その隣に浦河や生嶋くんが座った。



──あたし、なんでこんなとこにいるんだろ。

……見たく、ない。



結婚式なんて──……
他の人との結婚式なんて、見たくないよ……



その時ライトが少し薄暗くなって、今まで騒がしかったのが一気にシンと静かになった。



……始まっちゃうんだ。


そう思って、思わず目をギュッと瞑る。



──その瞬間。

一度静かになったチャペル内が、また急にザワザワとなり始めた。
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