俺だけのLovelyメイド
……な、なに?

不思議に思い、そっと目を開ける。
だけど目を開けても、視界は真っ暗なまま。




「……え、縁?どこ?」



──あたしは、暗いところが大の苦手で。

電気が消えているのだとわかり、隣にいるはずの縁に手を伸ばした。


でも、どれだけ手探りで捜しても、縁の姿はどこにもない。




「……っ‼」



……どうしよう。

怖い、……泣きそう。


そう、思った瞬間。
伸ばしていた腕が、誰かによってグッと引っ張られた。




「えっ……縁?」



声をかけてみるけれど、返事はない。

そのまま、わからない誰かによってあたしの身体は引っ張られる。


どこかへ連れて行かれるようにして引っ張られ、数歩進んだところで動きが止まった。
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