俺だけのLovelyメイド
その途端急にライトが付いたため、あたしは思わずもう一度目を瞑った。


恐る恐る、目を開けると。

周りは明るくなり、あたしの腕を掴む先には──……





「……東、條?」



東條が、いた。

しかも、あたしが今立っているのはステージの中央部分。


あたしの顔を見てニコッと笑うと、すぐ横に立ててあったマイクスタンドからマイクを手に取った東條。



その瞬間、あたしの手のひらと東條の手のひらが重なった。

思わず顔を上げたあたしに、東條はもう一度笑顔を向けてゆっくりと口を開く。




「今日、この場所に来て下さっている方々。
わざわざお出で下さって、ありがとうございました。


──けど、すいません。

俺はやっぱり、香乃華と結婚することは出来ません」
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