俺だけのLovelyメイド
シンと静まり返ったチャペルの中。
小さく、東條の息を吐く音だけが響く。



「俺は、東條の名前を捨てるつもりです」



「え……?」




思わず声を漏らしてしまったのは、あたし。
東條は一度あたしの方を振り向いて、繋いでいた手をぐっと引っ張った。


グラリと揺れたあたしの身体を支え、あたしの肩を抱いた状態のまま、東條はもう一度顔を上げた。




「俺、やっぱコイツじゃなきゃダメなんで」




そう言って、浮かべた笑顔に。

あたしの胸は、ますますドキドキと高鳴ってゆく。



東條があたしの方を向き直し、両肩にそっと手を置く。

向かい合う状態になり、あたしもじっと東條の目を見つめた。




「……蘭」
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