俺だけのLovelyメイド
途端に、辺りがまたザワザワと騒がしくなったけど、そんなの関係ない。



「……、はい」



全然素敵なんかじゃない、カッコ悪いプロポーズ。
憧れてたプロポーズとは、かなり違うけど。


それでも、いい。

東條と、ずっと一緒にいられるなら。








「ちょっと待ちなさい……っ‼」



その声のした方へ、視線を向ける。

チャペルの入り口に立っているのは──東條のお母さんと、香乃華さん。




「……泰臣さん」



小さな声で東條の名前を呼び、香乃華さんは一歩前に出た。

みんなの視線が、一気に香乃華さんの方へと向く。




「……泰臣さん、私のこと騙してたんですかっ?
私は本気で──……本気で、泰臣さんのことが好きなのに‼」
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