俺だけのLovelyメイド
***



「……重い」



「は?早く漕げよ。遅刻するっつーの。

あ、もう遅刻か」




あたしの文句をよそに、平然とそう呟く東條。




「おーもーいーっ‼」



「だからうるさいよっ」




後ろからペチンと頭を叩かれ、あたしは大人しく自転車を漕ぐ。

東條の家から学校まで、多分自転車で30分くらい。



その長い道のりを、あたしは後ろに東條を乗せて漕がなくちゃいけないわけで。





「……キツ」



「おら、文句言わなーい」




……こんのサド王子め。

そうは思うも、文句も言えずにひたすら自転車を漕ぎ続ける。




「……ちょっと」



「あ?」



「学校着く前に、自転車降りてよ?」




少し振り向いて見てみると、東條は軽く顔をしかめた。
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