俺だけのLovelyメイド
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「おはよ蘭っ‼もう具合は大丈夫なの‼」
「あー……うん、ありがと」
教室に入ると、縁があたしに近寄って来た。
そう言えば、何で倒れちゃったのか聞いてなかったなぁ。
まあ、どうでもいいんだけど。
「……あれ、東條くんは?」
「さあ……あたし知らない……」
縁から目を反らし、あたしは一人席に着いた。
昨日は、社宅に住んでいる両親の所に泊まったため東條のことを知るわけもなく。
いつもなら後ろから入ってくるはずの東條の姿は……ない。
「え、別れちゃったの!?」
そう言って、縁はあたしの席の前の席に腰かけた。
「……っだから‼
最初から付き合ってないってば……」
ああ、もうっ……
何であたし、こんなにイライラしてるんだろ。
そのままだと、縁にも八つ当たりしかねないし。
そう思ったあたしは、そのまま机にうつ伏せになった。