俺だけのLovelyメイド
ガラッ……


教室のドアを開けて、中をキョロキョロと見回す。
目に入るのは……東條が、女の子と仲良く話をしている姿。


胸が、ギュッと締め付けられた。



何であたし、こんなにも辛いって思ってるの?
何であたし、こんなにも悲しいって思ってるの?


ねぇ、何でこんなにも……寂しいの?





「──……っ東條‼」





気付けばあたしは、大声で東條の名前を呼んでいた。
一瞬教室がシンとなって、東條が驚いた表情であたしを見ている。

はっとして、あたしは口を押さえた。





「……なんか用?」




耳に届いたのは、冷たい、東條の声。

どうしよう……
名前を呼んだのはいいけど、何て言うか考えてなかったよ。





「……あ、あの……これ‼」
< 85 / 320 >

この作品をシェア

pagetop