俺だけのLovelyメイド
何て言えばいいのか考えられなくて、あたしは浦河から預かった袋を差し出した。




「……なにこれ?」



「あ……浦河から……預かって……」



「そ。サンキュ」




それだけ言うと、あたしの手から袋を取った東條。
だけどあたしは、そのまま動くことが出来なかった。


そんなあたしに、東條は追い討ちをかける。




「で?用はこれだけ?」




そう言った東條の表情は、今までにないくらい冷たくて。

また、涙が出そうになった。



好きな人に冷たくされるのは、こんなにも辛いことなんだ……




「……うん、それだけ」



「そ、じゃね」




東條が、すごく遠い存在に感じた。

あんなにも近かったのに、今では……こんなにも、遠い。
< 86 / 320 >

この作品をシェア

pagetop