再会はある日突然!!
「ななちゃん、まだ点滴残ってるから、反対の腕に付けてもいい?」
…
また痛いのかな…
私が少し渋っていると、
「大丈夫だよ。さっきは違う人に頼んだけど、今度は俺がやるから。
これでも、注射は上手い方なんだよ?」
私が考えていることが分かったのか、流星先輩がニコニコしながらそう言った。
流星先輩なら、いいかな…
そう思って、私は右腕をそろそろと前に出した。
「ありがとう。すぐ終わるからね!」
流星先輩はそう言って、針を用意していた。
私は、タダでさえ痛いのが苦手だから、不安になりながら見ていた。
「ななちゃん。」
ぼーっと見ていたら、流星先輩に呼ばれて顔を上げる。
「ななちゃんは今、この辺に住んでるの?」
「ここから、ゴホッ…30分くらいのところに…」
「はい、終わったよ〜」
えっ?
話している内に終わっていたみたい。
ぜんぜん痛くなかった…
「痛くなかったでしょ?」
流星先輩が、にこっとしながらそう言った。
「痛く…ない…」
咳を我慢しながら、途切れ途切れにそう言った。