あなたの心を❤️で満たして
そこへトントントン…と三回ノックがあり、三上さんが腕時計の時間を確認してドアへと向かった。
「お待ちしておりました。黒沢様」
腰を折って深いお辞儀をすると、どうぞ…と手を差し伸ばす。
ドキッとしてドアから入ってくる人の気配を感じ取り、そっちに意識を集中した。
大きく開けられた白いドアの向こうからは、背の高い男性が現れてきた。
思考も一瞬停止するほどスマートな紳士を見つめ、あれが私の旦那様…?とぼんやり眺めて思った。
「あちらが花菱留衣様です」
三上さんに、遅れて済まないと謝っていた人はその声に振り向き、私のことを視界に捉えた。
思わずガタン…と椅子から立ち上がった。
背の高い彼から遠目に見られていると、嫌でも小人の様な気分になったから。
「…は、初めまして。花菱留衣です…」
深々と頭を下げると、ポニーテールにしていた髪の毛がバサッと音を立てて揺れ落ちる。
しまった、これは想定外!と焦ったけれど既に時は遅い。
気まずい思いで頭を下げたまま視線だけを前に向けると、ドアの辺りで止まっていた革靴の先がこっちに向いて動き出した。
「お待ちしておりました。黒沢様」
腰を折って深いお辞儀をすると、どうぞ…と手を差し伸ばす。
ドキッとしてドアから入ってくる人の気配を感じ取り、そっちに意識を集中した。
大きく開けられた白いドアの向こうからは、背の高い男性が現れてきた。
思考も一瞬停止するほどスマートな紳士を見つめ、あれが私の旦那様…?とぼんやり眺めて思った。
「あちらが花菱留衣様です」
三上さんに、遅れて済まないと謝っていた人はその声に振り向き、私のことを視界に捉えた。
思わずガタン…と椅子から立ち上がった。
背の高い彼から遠目に見られていると、嫌でも小人の様な気分になったから。
「…は、初めまして。花菱留衣です…」
深々と頭を下げると、ポニーテールにしていた髪の毛がバサッと音を立てて揺れ落ちる。
しまった、これは想定外!と焦ったけれど既に時は遅い。
気まずい思いで頭を下げたまま視線だけを前に向けると、ドアの辺りで止まっていた革靴の先がこっちに向いて動き出した。