あなたの心を❤️で満たして
彼が拒否してくれたら私は此処に居なくても済んだのに。あの家に住めなくても、もっと違う場所があったかもしれないのに。


ベッドに潜り込むと涙が溢れ返ってしまった。
声を殺して泣いて、そのまま眠りに落ちていった……。



目覚めると夕暮れ時で、時間を確かめるとそろそろ夕食の支度をする時刻。だけど、私はなかなかベッドから降りられなかった。
うっかり寝てしまった後、酷い頭痛がしていて。


(自分は食べたくないけど、黒沢さんには好きに食べて…と言うべきよね……)


そう思うけれど起きようとする気持ちも湧かず、気分はどうしても鬱屈してしまうばかり。


(何も作らなくてもあの人のことだから好きにしてしまうんじゃないかな)


何だかそんな風に思えてしまう。
仲良くと廣瀬さんには言われたけれど、どうしてもそういう気持ちにはならなくて。


布団を引っ被ったまま溜息を吐き、どうにでもなればいいと捨て鉢な気分に陥った。
たった一食作らなくても、あの人はきっと困りもしない。


ずっと起きていかなくても知らん顔している人なんだもん。
どうせ形だけの夫婦だものーーー。


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