あなたの心を❤️で満たして
私が好きな物が分からなかったから…と言い訳している。そりゃまともに会話もしていないのだから当たり前だけど。


「何か食べれそう?」


全部袋から出して並べ、それから私を振り返る。


「お…お水だけなら……」


頭痛がするのは変わらなくて、食欲は湧かずにそう言った。


「じゃあ、しっかり飲んで。残りは冷蔵庫に入れておくから」


そう言うと買ってきた物を袋に入れ直し、さっさと部屋を出ようとする。


「ごめんなさい!あの…」


もっと一緒に居て欲しくて呼び止めたけれどーー


「いいよ、お大事に」


彼には伝わらなくて。
呆気なくドアは閉められてしまった。


コロン…と布団の上に残されたペットボトルを拾い上げ、キュッとキャップを捻って開ける。
口を付けると冷たい水が喉を通り、ゴクゴク…と飲み込むと涙がまた零れ落ちた。



「……私達…夫婦よね……」


そう呟くのも虚しい。
心の通わない関係にやり切れなさが募ったーーー。


< 104 / 283 >

この作品をシェア

pagetop