あなたの心を❤️で満たして
彼と心が通い合うまでに、後どのくらいの時間を要するのかも見当がつかない。
心が通い合うことが出来たとしても、一緒に居れる時間があるとも限らない。




「寂しいよ…」


膝を折って泣いてしまった。
泣かないと決めたのに、どうにもやりきれない思いが強過ぎてーーー。




廊下に踞ったままで泣き続けていると、ガチャとドアのロックが外される音が響いた。
ぎょっとして顔を上げれば廊下の先にある玄関ドアが押し開かれようとしている。



(……まずい…黒沢さんだ……)


咄嗟に隠れなきゃ……と焦った。

彼の前では泣かないと決めているのに、こんな格好で泣いてるところを見つけられては困る。
泣いている理由を聞かれても面倒だし、そもそも泣き顔を見られるのが嫌。



(何処へ行く…?)


辺りを見回して、一番近くにあったパントリーの中へ入った。

玄関にいると思われる黒沢さんは、スリッパに履き替えるとスタスタ…と足音を立てながら近付いてくる。

私のことを探しているみたいで、コンコン!とリビングのドアをノックした。


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