あなたの心を❤️で満たして
「ん?」


振り返った彼が不思議そうに首を傾げ、入らないの?と部屋を指差す。


「あ…」


慌てて我に戻り、ドアレバーを下げた。
おやすみなさい…と一言言い、その隙間に滑り込んでいく。


中に入るとドアを背にしたまま胸の鼓動を聞いていた。
初めてまともに感想が貰えて、何だかとても浮き足立った。


『俺、留衣の作る味噌汁は好きだから。毎朝でも美味いよ』


黒沢さんの言葉が胸の中に染み渡っていく。
やっと夫らしい彼の言葉が聞けて、少しだけ結婚したんだ…と実感が湧いた。



「良かった…安心した…」


呟くと跳ねるような気分でベッドにダイブする。
ぎゅっと布団を握りしめながら、一人で幸せな気分を味わったーー。


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