あなたの心を❤️で満たして
それからずっと二十年以上もの間、両親とはほぼ触れ合いもなく過ごした。
たまに誕プレが届き、思い出したかのように手紙が舞い込んでくる以外には何もなくーーー
ふ…と目覚めると大きな窓から日が射し込んでいる。
起き上がって室内を見つめ、此処は何処だったっけ?と首を捻る。
(…そうか。黒沢さんの家だ…)
自分の家という感覚はなくて、いきなり突き付けられた結婚を受け入れたんだ…と思い出した。
今更ながらどうしてあの時、一度でもいいから嫌だと言わなかったのだろうか。
住んでいた家を売りに出していると聞き、既に買い手が付いたというのを聞いて頭が真っ白になってしまった。
「そう言えば、買い手というのはどんな人だったんだろう」
そう呟き、頭の隅に残っていた記憶が蘇った。
ハッとして立ち上がり、バタバタと自分の部屋へと走って行く。
もしも、今浮かんだことが間違いでなければ、私はあの家に帰れるかもしれないーーー
淡い期待を胸に抱いてドアを押し開けた。
そのまま壁際に置いたデスクに近付き、鍵の付いた引き出しを開けて通帳を取り出す。
たまに誕プレが届き、思い出したかのように手紙が舞い込んでくる以外には何もなくーーー
ふ…と目覚めると大きな窓から日が射し込んでいる。
起き上がって室内を見つめ、此処は何処だったっけ?と首を捻る。
(…そうか。黒沢さんの家だ…)
自分の家という感覚はなくて、いきなり突き付けられた結婚を受け入れたんだ…と思い出した。
今更ながらどうしてあの時、一度でもいいから嫌だと言わなかったのだろうか。
住んでいた家を売りに出していると聞き、既に買い手が付いたというのを聞いて頭が真っ白になってしまった。
「そう言えば、買い手というのはどんな人だったんだろう」
そう呟き、頭の隅に残っていた記憶が蘇った。
ハッとして立ち上がり、バタバタと自分の部屋へと走って行く。
もしも、今浮かんだことが間違いでなければ、私はあの家に帰れるかもしれないーーー
淡い期待を胸に抱いてドアを押し開けた。
そのまま壁際に置いたデスクに近付き、鍵の付いた引き出しを開けて通帳を取り出す。