あなたの心を❤️で満たして
「花菱」を名乗りかけて、ううん…と頭を横に振る。
電話口の向こう側にいる人が不審そうに「もしもし」と声を重ねるのを聞き、しっかりしなきゃ…と気持ちを奮い立たせた。
「土曜日にお目にかかりました、黒沢厚志の妻ですけど…」
「おお!黒沢君の奥さんか!」
大きな声が聞こえ、ビックリするやらギョッとしてしまうやらでーー。
「す…すみません。お忙しいところにお電話を致しまして」
恐縮しつつ肩を竦めて言葉を返すと、和田教授は機嫌の良さそうな声で「いいえ」と言ってくる。
その裏表の無さそうな雰囲気に気を良くして、少し話をしてもいいですか?と問いかけた。
「どうしても窺いたいことがあるんですが」
言葉を濁して囁くと教授は構いませんよ、と言った後で……
「奥さん今お宅にいらっしゃるんですか?お話があるのならゆっくりお窺いしますから、良ければ少し出て来ませんか」
そう言うと自分も今は出先だと説明する。
どちらにいらっしゃるのですか?と訊くと、思いもかけない場所にいてーーー
電話口の向こう側にいる人が不審そうに「もしもし」と声を重ねるのを聞き、しっかりしなきゃ…と気持ちを奮い立たせた。
「土曜日にお目にかかりました、黒沢厚志の妻ですけど…」
「おお!黒沢君の奥さんか!」
大きな声が聞こえ、ビックリするやらギョッとしてしまうやらでーー。
「す…すみません。お忙しいところにお電話を致しまして」
恐縮しつつ肩を竦めて言葉を返すと、和田教授は機嫌の良さそうな声で「いいえ」と言ってくる。
その裏表の無さそうな雰囲気に気を良くして、少し話をしてもいいですか?と問いかけた。
「どうしても窺いたいことがあるんですが」
言葉を濁して囁くと教授は構いませんよ、と言った後で……
「奥さん今お宅にいらっしゃるんですか?お話があるのならゆっくりお窺いしますから、良ければ少し出て来ませんか」
そう言うと自分も今は出先だと説明する。
どちらにいらっしゃるのですか?と訊くと、思いもかけない場所にいてーーー