あなたの心を❤️で満たして
流石に結婚すると変わるのだなぁ…と感心し、いい傾向だと分析している。

そんなにか…と半ば呆れた顔をしていたら、教授はまあまあ…と笑って誤魔化した。


「どうかお幸せになって下さい」


私達の結婚はまだ紙の上だけの様な感じだとも知らず、そう願われてしまう。
けれど、それも仕様がないか…と諦め、後は雑談をしながらカフェオレを飲んだ。



「あのー……」


レジで支払いを済ませた後、教授の奢りになったことに感謝しつつ、ついでに一つだけ質問をしておこうと決めた。



「何ですかな？」


長財布を胸ポケットに直し、教授は私の方へ目を向ける。
私は頭の中に色々と思い浮かんだ質問の中から適当なものを一つ選び、教授の意見を聞いてみようと試みた。



「あの……私達、ちゃんとした夫婦になれると思いますか？」


教授の言う通りに正反対なら時間が掛かるかもしれない。
今みたいにバラバラな生活をしている以上、直ぐには夫婦らしくとはいかないことも分かっている。


それでも、私はやはり紙だけの夫婦でいるのは嫌だ。
要塞みたいなあの家で、ロボットのような人を夫にしたとは考えたくもない。


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