あなたの心を❤️で満たして
隠された事実
「それでは失礼致します。何かご不安なことがありましたら、いつでもいいのでご連絡下さい」
裏口のドアノブに手をかけたまま、廣瀬さんはそう言って振り返った。
大丈夫…と笑顔で答えると安心して、それでもやはり心配そうに踵を返す。
私はその様子を見つめながら、サヨナラ…と胸の中で告げていた。廣瀬さんにまで内緒で家を出ようとしていることに少し罪悪感を抱いた。
パタン…とドアが閉まり、それにロックを掛けて離れる。
さあこれから部屋に戻り、荷物の最終チェックをしなくちゃ…と廊下の方へ振り返った時だ。
固定電話の鳴る音が聞こえ、ビクン!と背筋が伸びきった。
これまで鳴ることもなかった電話が鳴り、一瞬何処から?と不思議に思う。
この家の番号を知っている人がいるとしたら黒沢さんか廣瀬さん。そして、多分、彼のご両親もご存知かもしれない。
「だったら大変、出なくちゃ」
この家に居たという証拠を残しておかないと。
この時間に誰も居ないとなったら心配を掛けてしまう。
慌てて廊下を走ってリビングの電話に辿り着いた。
息を切らしながら「お待たせしました」と言えば……
裏口のドアノブに手をかけたまま、廣瀬さんはそう言って振り返った。
大丈夫…と笑顔で答えると安心して、それでもやはり心配そうに踵を返す。
私はその様子を見つめながら、サヨナラ…と胸の中で告げていた。廣瀬さんにまで内緒で家を出ようとしていることに少し罪悪感を抱いた。
パタン…とドアが閉まり、それにロックを掛けて離れる。
さあこれから部屋に戻り、荷物の最終チェックをしなくちゃ…と廊下の方へ振り返った時だ。
固定電話の鳴る音が聞こえ、ビクン!と背筋が伸びきった。
これまで鳴ることもなかった電話が鳴り、一瞬何処から?と不思議に思う。
この家の番号を知っている人がいるとしたら黒沢さんか廣瀬さん。そして、多分、彼のご両親もご存知かもしれない。
「だったら大変、出なくちゃ」
この家に居たという証拠を残しておかないと。
この時間に誰も居ないとなったら心配を掛けてしまう。
慌てて廊下を走ってリビングの電話に辿り着いた。
息を切らしながら「お待たせしました」と言えば……