あなたの心を❤️で満たして
でも、今日研究所に行って、彼と話せるチャンスが来たらいよいよだ。
やっとこの手荷物を持ち、家から出られるかもしれない。


そういう時間が取れることを願いながら服を選んだ。
白いブラウスと紺のフレアスカートの上にパステルピンクのカーディガンを羽織って降りるとーー。



「まあまあ可愛らしいこと」


子供っぽいですか?と聞くと廣瀬さんは力を込めて「いいえ!」と言い張った。


「留衣様らしくていいですよ。髪留めも綺麗ですね」


髪の毛を全部右側に寄せて、シュシュで結んだだけのヘアスタイル。シュシュには偽物のパールが付いているから少しゴージャスな感じに見えるだけだ。


「あ、そうだ。留衣様、何か手土産を持って行かれては?」


廣瀬さんの閃きに、そうですね…と悩んだ。
だけど私が用意出来るものと言えば、手料理くらいしか思い浮かばなくて。


「夕食代わりにお弁当でも作って持って行きますか。研究所の方の分も作って行ければいいかなと思うんですが…」


「上等ですよ。留衣様の仰る通りに致しましょう」


二人で冷蔵庫の中を見て、直ぐに作れる物を幾つか選んだ。

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