あなたの心を❤️で満たして
舞い散る花弁のように……
「どう?厚志さんは起きた?」
仮眠室のドアを開けて入ってきたのは蒲池さんだった。
彼女はスン…と部屋の匂いを嗅ぎ、お味噌の匂いがする…と呟いてから、ちらっと目線をベッドの側に向けた。
「インスタントのお味噌汁?もしかして飲んだの?」
驚くように訊ね、私は少し肩を竦めた。
「さっき一瞬だけ目が覚めて一口だけ飲んで貰いました。口に含んだら満足したのかまた眠って…」
「呆れた。どれだけ疲れてんのよ」
隣に来ると黒沢さんの寝顔を見て溜息を吐く。
そんな彼女の横顔を見つめ、いつもこんな感じなんですか?と訊いた。
「まあね、昔から研究が佳境を迎えると根を詰めるところがあったわ。不思議な人で、山場を越えるまでは疲れも限界も感じないみたいなの」
おかしな人でしょう?と微笑み、でも…と言葉を途切れさす。
私はその先が続くのかと思い、蒲池さんの横顔を眺めていた。けれど、彼女は何も言わず、膝を伸ばすと私に向き直り、後はお願いしますね…と囁き出て行った。
閉じられたドアを見つめながら、彼女が言いかけた言葉の先を考えていた。
仮眠室のドアを開けて入ってきたのは蒲池さんだった。
彼女はスン…と部屋の匂いを嗅ぎ、お味噌の匂いがする…と呟いてから、ちらっと目線をベッドの側に向けた。
「インスタントのお味噌汁?もしかして飲んだの?」
驚くように訊ね、私は少し肩を竦めた。
「さっき一瞬だけ目が覚めて一口だけ飲んで貰いました。口に含んだら満足したのかまた眠って…」
「呆れた。どれだけ疲れてんのよ」
隣に来ると黒沢さんの寝顔を見て溜息を吐く。
そんな彼女の横顔を見つめ、いつもこんな感じなんですか?と訊いた。
「まあね、昔から研究が佳境を迎えると根を詰めるところがあったわ。不思議な人で、山場を越えるまでは疲れも限界も感じないみたいなの」
おかしな人でしょう?と微笑み、でも…と言葉を途切れさす。
私はその先が続くのかと思い、蒲池さんの横顔を眺めていた。けれど、彼女は何も言わず、膝を伸ばすと私に向き直り、後はお願いしますね…と囁き出て行った。
閉じられたドアを見つめながら、彼女が言いかけた言葉の先を考えていた。