あなたの心を❤️で満たして
それで弁当は?と聞くと更に呆れてしまわれーー


「蒲池さん達に食べて頂きました。黒沢さんは食べれそうな雰囲気でもなかったので」


「あー悪い!本当にごめん!」


しまったなぁ…と気まずくなる。
それでなくてもニ、三日戻らずにずっと改良を続けていたのに。


掌を擦り合わせて後悔し、許して欲しいと仕草では表して見せたがーー


「黒沢さんには私が必要ではないみたい」


留衣は落ち着き払った声でそう言った。
顔を上げると笑顔だったが、目元は悲しそうな色をしている。


「そんなことはないよ!俺には君が必要だってい…」


言っただろう…と続けようとしたが、留衣はううん…と頭を左右に振った。


「ごめんなさい。私にはそうは思えない…」


笑顔のままそう言うと、俺は言葉を失った。
留衣はきゅっと唇を噛み、俺から視線を外した。


「……ずっと不思議だったんです。黒沢さんが何故私と結婚したのか。
お祖父様が決めた縁談だからだろうか、対面を気にしているんだろうか…って思ってました。

私でなくても良かったんじゃないのか。
研究が出来れば誰でも良かったんじゃないのかなって……」


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