あなたの心を❤️で満たして
それをいつまで預かっていればいいのか、と訊ねる電話をかけたと言っておられましたが……」


その内容を勝手に勘違いした。
あの夜、変に突っ掛かってしまったのを思い出すと何だか恥ずかしくなってくる。



「それだけ?」


「ええ、まあ」


家に関することはそれだけだ。
ちゃんとした夫婦になれるかどうかについての答えは、今のところは関係ないと思う。


「その登記簿の住所は?と聞いたら、開けてはいけないと止められているから知らないと言われてました。

でも、間違いなく私が住んでいた家のですよね?どうして教授名義で買ったんですか?」


買うなら自分の名義にすれば良かったんじゃないのか。
話を聞いた時からそう思えて、それをしていないことに何の意味があるのか分からずに訊ねた。


「…………」


黒沢さんはまただんまりと口を閉ざす。
そんなに言いづらい事なんだろうか、と返って気になって仕方ない。



「黒…」

「後で教えるから。今は運転に集中させて」


自分から話を聞いてきてそれ?
あんまりじゃないの!?と思いつつ、ムッとなりながらも我慢した。


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