あなたの心を❤️で満たして
黒沢さんの運転する車は途中から都市高速に上がった。
空中に作られた道路を走る車は皆スピードを上げていて、ハンドルを握っている彼の横顔も強張っている。
(この人、運転苦手なのかな)
そんな風に見えて、有能な研究者でも苦手なことがあるんだと思うと人間らしく思えた。
緊張したまま運転に集中している彼の横で、私は眼前に広がる景色を見つめる。
道路だけ見ていると、まるで大きなヘビの背中を走っているように感じた。
子供の頃に見たことがあるアニメのシーンを思い出し、それに似ているな…と考えていた。
都市高速に上がって三十分くらい走ると、ずっと先に海が広がって見えてくる。
少し郊外に近付いてきたのかな…と思っていたら、高速の出口に向かって下り始めた。
料金所のゲージを抜けて一般道路へと合流して直ぐ、ハッとして彼の方へと振り返った。
ハンドルを握ったまま視線を前に向けている彼を見つめ、改まった気持ちで苗字を呼んだ。
「黒沢さん」
ちらりと視線を向けた彼は、目を前に向け直して「何?」と聞く。
こっちは直ぐに声も出なくて、だけど、どうしても黙っていられずに訊ねた。
空中に作られた道路を走る車は皆スピードを上げていて、ハンドルを握っている彼の横顔も強張っている。
(この人、運転苦手なのかな)
そんな風に見えて、有能な研究者でも苦手なことがあるんだと思うと人間らしく思えた。
緊張したまま運転に集中している彼の横で、私は眼前に広がる景色を見つめる。
道路だけ見ていると、まるで大きなヘビの背中を走っているように感じた。
子供の頃に見たことがあるアニメのシーンを思い出し、それに似ているな…と考えていた。
都市高速に上がって三十分くらい走ると、ずっと先に海が広がって見えてくる。
少し郊外に近付いてきたのかな…と思っていたら、高速の出口に向かって下り始めた。
料金所のゲージを抜けて一般道路へと合流して直ぐ、ハッとして彼の方へと振り返った。
ハンドルを握ったまま視線を前に向けている彼を見つめ、改まった気持ちで苗字を呼んだ。
「黒沢さん」
ちらりと視線を向けた彼は、目を前に向け直して「何?」と聞く。
こっちは直ぐに声も出なくて、だけど、どうしても黙っていられずに訊ねた。