あなたの心を❤️で満たして
「誰…が…」


そう言いながら足はゆっくりと家に向かっていた。
敷地に入ると呆然と見上げ、無言でいると泣きそうになった。


この家に誰かがまた住む。
私なのかどうか、それはまだハッキリしていないけれどーーー


「住むとしたら瑠衣と俺しかないだろう。今住んでいる所は、ただの一時凌ぎだよ」


そう言うと黒沢さんは家の裏側に向かって歩み出す。
私はぼうっとその背中を見つめ、離れていく彼の何を今まで見ていたんだろうか…と思った。



「黒沢さんっ!」


声を張り上げて名前を呼び、少し先にいる彼に追い付こうと走り出した。

振り返った彼を視界に入れると堪らなくなって、飛び付いてぎゅっと抱き締めたくなったけれどーー………



広がった目の前の風景に立つ人がいて、思わず息を吸い込んだ。

信じられなくて、でも、絶対に幽霊ではないと思ったーーー。



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