あなたの心を❤️で満たして
母の手紙は祖父母の家に引き取られてから急に舞い込みだした。
その頃の私は両親に対する怒りが強くて、読まずに毎回破り捨てていた。


多分、それを見て祖母が修繕してくれていたのだ。
破り捨てられるくらいなら見せまいと決め、それで下にある方のは破られずに置いてある。


知らなかったけれど、毎年一通は届いていた。
最後の消印は、私が短大部を卒業した年ーーー


(この後、急にお祖母ちゃんの病気が進行して…)


パーキンソン病のオフ状態が長くなってしまった。
体の緊張も続くようになり、リハビリが欠かせなくなった……。


「留衣のお祖母さんから聞いたんだけど、お母さんは再婚してから手紙の数が減った…と言ってたな」


ひょっとしたら、この手紙の前後くらいに再婚した?
それで、これ以降は来なくなった?



「ママは…今…」


幸せでいるのだろうか。
愛する人に優しくされているだろうか。


「会いに行く?」


「えっ」


「三上さんに聞けば調べてくれるよ」


今日は無理だけど…と言われ、一瞬悩んでしまった。
今更どんな顔をして母に会えばいいのか分からず。


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