あなたの心を❤️で満たして
ガクッと項垂れる姿を見て申し訳なくなった。

記憶を辿っても思い出せず、それだけ毎日祖母のことしか見てなかったのだと痛感した。


「ごめんなさい。いろんな人が出入りしていたものだから…」


院内ではいろんな人と話をしていた。
お陰で家に帰ってまで人と話す気が起こらなくて、殆ど引きこもってたくらい。


「まあいいけどね。留衣はお祖母さんのことで一杯だったみたいだし」


忘れられてても当たり前みたいな感じの言い方をされると落ち込む。だからと言って思い出せるとは思えない。


「とにかくその時に留衣の懸命さに胸を打たれたって言うかさ。一生懸命なところに惹かれたって感じかな」


「は…?」


悄気ていた気持ちが跳ね上がる様に彼を見ると、少しだけ照れくさそうにしている。


「自分の周りにはいないタイプだったよ。最近は理系の女子も着飾る人が増えたから」


「それは…」


なんかちょっと傷つく。
自分が飾ってもない女だと言われてしまった様な気がする。


「胸に残ったんだ。こんなこと無いなと思ったから結婚してもいいかと決めた」


(ちっとも嬉しくない決め方だけどーー)


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