あなたの心を❤️で満たして
その「いろいろ」の意味を深読みし過ぎて過剰に胸が鳴る。
今夜からは同じ部屋で寝ようと誘われたのもあって、変に勘繰ってしまった。



(ひゃあ〜〜!恥ずかしい〜〜!!)


今更のように胸がドキドキし始める。
ハイスペックな彼と迎える初夜ってどういうの!?


(か…考えないようにしよう。私にはレベルが高過ぎる…)


カップをトレイに乗せてキッチンへと向かいだした。

ドアを閉めると足が震えて、落ち着け…と思いながら前に踏み出したーーー。




夕食を食べ終え、食器を乾燥機に入れると急に不安を感じた。

思い出してみれば、私は厚志さんとキスをしたのもまだ三度だけで、その先は誰とも経験のないことだし、彼は研究一筋のように生きてきたのならば、もしかすると女性経験も少ないのかもしれないと思い……


(上手く出来るの?…と言うか、上手に応じられる?)


乾燥機のスイッチを押す手が震える。
胸が鳴りだしてキッチンを出るのが怖くなり、どうしようかと身構えた。



「留衣」


ドキン!と心臓が跳ね上がる。
振り向くと彼がキッチンの出入り口に立っていて、窺うように中を見ていた。


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