あなたの心を❤️で満たして
「こういう感じの方がお似合いですね」
鏡の中を見つめながら話しかけられ、やっと自分らしく笑った気がする。だけど、まだ喪中の身だったと思い出して、直ぐに笑うのを止めた。
「ご主人様のお支度は済んでいるようですから、どうぞ外へ」
招き出されてみると、着付け室の前のソファには彼が座り、本を片手に読んでいる。
「すみません、ご主人様。お待たせを致しました」
会場のスタッフが声をかけると本を閉じて顔を上げた。
いえ…と返事をした彼の視線が私を捉え、スッと立ち上がって側に来る。
「今日はどうもお世話になりました」
頭を下げる彼を見習い、同じように一礼をした。
スタッフ達からも頭を下げてお礼を言われ、何人かと同じことを繰り返してから背中を向けて歩き出そうとする彼に寄って行った。
「持つよ」
着てきた喪服の入ったスーツカバーを取り上げられ、慌ててすみません…と謝る。
要らない気遣いをさせてしまったことを申し訳なく感じながら、二人でホテルを後にした。
鏡の中を見つめながら話しかけられ、やっと自分らしく笑った気がする。だけど、まだ喪中の身だったと思い出して、直ぐに笑うのを止めた。
「ご主人様のお支度は済んでいるようですから、どうぞ外へ」
招き出されてみると、着付け室の前のソファには彼が座り、本を片手に読んでいる。
「すみません、ご主人様。お待たせを致しました」
会場のスタッフが声をかけると本を閉じて顔を上げた。
いえ…と返事をした彼の視線が私を捉え、スッと立ち上がって側に来る。
「今日はどうもお世話になりました」
頭を下げる彼を見習い、同じように一礼をした。
スタッフ達からも頭を下げてお礼を言われ、何人かと同じことを繰り返してから背中を向けて歩き出そうとする彼に寄って行った。
「持つよ」
着てきた喪服の入ったスーツカバーを取り上げられ、慌ててすみません…と謝る。
要らない気遣いをさせてしまったことを申し訳なく感じながら、二人でホテルを後にした。