あなたの心を❤️で満たして
もう一度、ごめんなさい…と謝り、顔を上げて私を見つめた。
「…でも、お二人の代わりに留衣の嫁ぐ姿を見送りたいと思ったの。
何も出来ない母親だったけど、娘の幸せを確かめておきたかった。
相手の人を見て安心したかったの。お義父さまとお義母様が決めたお婿さんをこの目で確認したかった。
留衣には気分の悪い思いをさせるだろうなと覚悟して来た。手紙しか寄越さない私を、きっと恨んでいるだろうなと理解しながらも、来ないことなんて考えられなかった。
……最後に、と思ってやって来たの。
ウエディングドレスを着ているところを、胸に焼き付けておきたかった……」
そう言うと大きな溜息を一つ吐き出した。
涙ぐみそうになるのを堪え、唇の端を持ち上げた。
「…でも、やっぱり都合がいいわよね。自分のエゴだけを通そうなんて。……ごめんなさい。やっぱり帰るわ。どうか末永く幸せになって」
「えっ!?」
「そう言わずに」
「そうですよ、お式だけでも見て行かれては…」
慌てる二人に笑顔を向け、母はいいえと首を横に振った。
「…でも、お二人の代わりに留衣の嫁ぐ姿を見送りたいと思ったの。
何も出来ない母親だったけど、娘の幸せを確かめておきたかった。
相手の人を見て安心したかったの。お義父さまとお義母様が決めたお婿さんをこの目で確認したかった。
留衣には気分の悪い思いをさせるだろうなと覚悟して来た。手紙しか寄越さない私を、きっと恨んでいるだろうなと理解しながらも、来ないことなんて考えられなかった。
……最後に、と思ってやって来たの。
ウエディングドレスを着ているところを、胸に焼き付けておきたかった……」
そう言うと大きな溜息を一つ吐き出した。
涙ぐみそうになるのを堪え、唇の端を持ち上げた。
「…でも、やっぱり都合がいいわよね。自分のエゴだけを通そうなんて。……ごめんなさい。やっぱり帰るわ。どうか末永く幸せになって」
「えっ!?」
「そう言わずに」
「そうですよ、お式だけでも見て行かれては…」
慌てる二人に笑顔を向け、母はいいえと首を横に振った。