あなたの心を❤️で満たして
一瞬だけハッとして、それでも何も言わずに目線を下げるとドアの方へと向き直って出て行く。
(え?何?どうしたの?)
いきなり旦那様が家出!?
行ってくるって…いったい何処へ!?
「お坊っちゃま!!」
追うようにリビング側の方から廣瀬さんが走って来たけれど、早くも彼はいなくて。
「…くそ!足だけは速いんだから」
悪態を吐く廣瀬さんの背中を上から見下ろし、声をかけてもいいものかどうか悩む。
廣瀬さんは仕様がないという雰囲気でドアの鍵を閉め、振り向いて顔を上げると二階にいる私と目が合った。
「まあ!奥様!」
まずい所に…という顔をし、少しドアに目線を配り……
「下りて来られませんか?厚志様は野暮用でお出掛けになりましたから」
溜息を吐いて視線を上げるとそう言った。
「野暮用?」
「お夕食は私と一緒に召し上がりましょう。あの唐変木、夜中になってもきっと帰らない可能性大です」
「と…とうへんぼく?」
聞いたこともない言葉に唖然としてしまう。
廣瀬さんはとにかく下でお話をしますと言い張り、私はその迫力に負けて「はあ」と吐息のような返事を漏らした。
(え?何?どうしたの?)
いきなり旦那様が家出!?
行ってくるって…いったい何処へ!?
「お坊っちゃま!!」
追うようにリビング側の方から廣瀬さんが走って来たけれど、早くも彼はいなくて。
「…くそ!足だけは速いんだから」
悪態を吐く廣瀬さんの背中を上から見下ろし、声をかけてもいいものかどうか悩む。
廣瀬さんは仕様がないという雰囲気でドアの鍵を閉め、振り向いて顔を上げると二階にいる私と目が合った。
「まあ!奥様!」
まずい所に…という顔をし、少しドアに目線を配り……
「下りて来られませんか?厚志様は野暮用でお出掛けになりましたから」
溜息を吐いて視線を上げるとそう言った。
「野暮用?」
「お夕食は私と一緒に召し上がりましょう。あの唐変木、夜中になってもきっと帰らない可能性大です」
「と…とうへんぼく?」
聞いたこともない言葉に唖然としてしまう。
廣瀬さんはとにかく下でお話をしますと言い張り、私はその迫力に負けて「はあ」と吐息のような返事を漏らした。