あなたの心を❤️で満たして
「…全く、どこまで朴念仁なんでしょう」
鯛の身を取り分けながら、廣瀬さんはずっと悪態を吐き続けている。
私はその言葉に同調することも出来ず、弱り顔で彼女の暴言を聞いていた。
「一体何処の世界に新妻を置いて出掛ける亭主がいますか!?初夜だというのにすっぽかして…」
呟く言葉にドキッと胸を弾ませ、顔を引きつらせて笑った。
私にしてみたら彼が出掛けて行ったのはラッキーと言うところで、緊張していただけに、今夜は何もされずに済みそうだと思うと一安心なのだがーー。
「とにかく料理を頂いてしまいましょう。お坊っちゃまの分など残しておかなくてもいいですから」
「は、はい。頂きます…」
目の前に置かれた鯛の身が乗ったお皿を眺めて手を合わせた。
箸を持ち上げながら、今日の為に丹精を込めて作られたであろう食事を口へと運ぶ。
塩味が少し効いたお赤飯は、モチモチとした食感で噛めば噛むほど甘味が出てくる。
鯛は臭みもなくふんわりと焼かれ、口の中でホロホロと身が崩れた。
「美味しいです」
流石は家事のプロ。
この茶碗蒸しもトロトロで、滑らかな喉越しはまるでプリンのような出来具合。
鯛の身を取り分けながら、廣瀬さんはずっと悪態を吐き続けている。
私はその言葉に同調することも出来ず、弱り顔で彼女の暴言を聞いていた。
「一体何処の世界に新妻を置いて出掛ける亭主がいますか!?初夜だというのにすっぽかして…」
呟く言葉にドキッと胸を弾ませ、顔を引きつらせて笑った。
私にしてみたら彼が出掛けて行ったのはラッキーと言うところで、緊張していただけに、今夜は何もされずに済みそうだと思うと一安心なのだがーー。
「とにかく料理を頂いてしまいましょう。お坊っちゃまの分など残しておかなくてもいいですから」
「は、はい。頂きます…」
目の前に置かれた鯛の身が乗ったお皿を眺めて手を合わせた。
箸を持ち上げながら、今日の為に丹精を込めて作られたであろう食事を口へと運ぶ。
塩味が少し効いたお赤飯は、モチモチとした食感で噛めば噛むほど甘味が出てくる。
鯛は臭みもなくふんわりと焼かれ、口の中でホロホロと身が崩れた。
「美味しいです」
流石は家事のプロ。
この茶碗蒸しもトロトロで、滑らかな喉越しはまるでプリンのような出来具合。