あなたの心を❤️で満たして
「……まあ、おかしくはないか」
どうせ行けば着替えさせられてしまうのだ。
だったらセットしやすい状態にしておくのがベストだろう。
「そう言えばメイクは?」
そう思い、同じように行けばやり直されるのだ…と考えた。着たくもない振袖に似合うメイクをされる予定だ。
「ファンデーションだけ塗っておこう」
そこまで済ませたら玄関の呼び鈴が鳴った。
簡単に最終チェックを済ませ、慌ててドアを開けた。
「おはようございます。お支度は整っておられますか?」
三上さんは黒のスーツを着込み、初めてこの家に来た時の様にビシッと背筋を伸ばしている。
「はい。大丈夫です」
そう答えると私の格好を繁々と見つめ、何も言わずに「それでは参りましょう」と踵を返した。
「…あっ、待って下さい」
鍵を閉める前に、もう一度だけあの満開の桜を見たい。
部屋に戻ってあの縦長窓から…と思い振り向いたが、やっぱり止そう…と思い直した。
「どうされましたか?」
背後で不思議そうにする声に振り返り、「何でもないです」と答えた。
どうせ行けば着替えさせられてしまうのだ。
だったらセットしやすい状態にしておくのがベストだろう。
「そう言えばメイクは?」
そう思い、同じように行けばやり直されるのだ…と考えた。着たくもない振袖に似合うメイクをされる予定だ。
「ファンデーションだけ塗っておこう」
そこまで済ませたら玄関の呼び鈴が鳴った。
簡単に最終チェックを済ませ、慌ててドアを開けた。
「おはようございます。お支度は整っておられますか?」
三上さんは黒のスーツを着込み、初めてこの家に来た時の様にビシッと背筋を伸ばしている。
「はい。大丈夫です」
そう答えると私の格好を繁々と見つめ、何も言わずに「それでは参りましょう」と踵を返した。
「…あっ、待って下さい」
鍵を閉める前に、もう一度だけあの満開の桜を見たい。
部屋に戻ってあの縦長窓から…と思い振り向いたが、やっぱり止そう…と思い直した。
「どうされましたか?」
背後で不思議そうにする声に振り返り、「何でもないです」と答えた。