あなたの心を❤️で満たして
午前様ですよ。旦那さま
翌朝、気持ちよく目覚めた。
昨夜のような悲しい夢は見らずに済んで、ホッとしながら顔を洗って下へと降りて行く。

キッチンのドアを開けるとまだ廣瀬さんの姿はない。
勝手に朝食の準備をしたらいけないのかもしれないけれど、今朝は洋食よりも和食が食べたい気分だ。


「お味噌汁とご飯くらいなら作ってもいいかな」


仕事を取ると何か言われそうだが、昨夜のビーフシチューの後でパンはちょっと…。


「それにしてもこの家って何でも食材がいいと言うか、昆布にしても鰹節にしても見るからに高級品って感じがするんだけど」


無洗米を仕掛けた後、出汁昆布の袋に付いている特選のシールを眺めて呟く。
鰹節に至っては削りたて？と思うくらいフワフワで、とても香りが高い。


「これで美味しくない味噌汁が出来上がったら奇跡だわ」


それくらい上等品を使って出汁を取り、これまた新鮮な野菜を刻んで一緒に煮込む。
お味噌も艶が良くて最高。
一旦火を止めて鍋の中にそれを溶かすと、いい香りがたち始めた。


「ちょっと味見しちゃおう」


小皿を食器棚から取り出し、お玉で掬って飲んでみる。


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