あなたの心を❤️で満たして
「お坊っちゃま!朝食は!?」
必死な声色に気づいた彼が振り返り、降りてきた廣瀬さんと向かい合いながら「悪い」と一言謝った。
「明日は食べるから。彼女にそう言っといて」
そう言い渡すと玄関に向き直り靴を履いて出て行く。
呆気に取られる私の前方で、廣瀬さんは悔しそうに地団駄を踏んでいた。
「このおたんこなす!!妻に逃げられても知らないからね!!」
廣瀬さんってば完全に血圧上がってる。
出て行った黒沢さんに激昂する廣瀬さんに近寄りながらその背中を見遣った。
肩を怒らせてドアを睨み付けていた廣瀬さんが振り返り、私に気付くと済まなさそうな表情をして、あの…と声をかけてくる。
「何かあったんですか?」
訊ねると廣瀬さんは悔しそうに唇を噛みしめ、誠に申し訳ございません…と頭を下げた。
顔を上げるとどこか落胆していて、さっきの嬉々とした表情とは大違い。
「…あの唐変木は、研究室から呼び出しがあって出掛けました。何でもアメリカの開発チームから新薬の研究を共同でしたいと申し出があったそうです……」
必死な声色に気づいた彼が振り返り、降りてきた廣瀬さんと向かい合いながら「悪い」と一言謝った。
「明日は食べるから。彼女にそう言っといて」
そう言い渡すと玄関に向き直り靴を履いて出て行く。
呆気に取られる私の前方で、廣瀬さんは悔しそうに地団駄を踏んでいた。
「このおたんこなす!!妻に逃げられても知らないからね!!」
廣瀬さんってば完全に血圧上がってる。
出て行った黒沢さんに激昂する廣瀬さんに近寄りながらその背中を見遣った。
肩を怒らせてドアを睨み付けていた廣瀬さんが振り返り、私に気付くと済まなさそうな表情をして、あの…と声をかけてくる。
「何かあったんですか?」
訊ねると廣瀬さんは悔しそうに唇を噛みしめ、誠に申し訳ございません…と頭を下げた。
顔を上げるとどこか落胆していて、さっきの嬉々とした表情とは大違い。
「…あの唐変木は、研究室から呼び出しがあって出掛けました。何でもアメリカの開発チームから新薬の研究を共同でしたいと申し出があったそうです……」