世界一幸せな国Ⅱ※執筆再開
第1章
いつもに増して
バ「ローナ、ユアン。準備できた?」
「だーかーらー、私は昨日に終わらせたってばぁ!」
ア「奥様、そろそろ車を出しておきますね!」
バ「えぇ、頼むわ」
今日は、ただでさえ騒がしいこの屋敷がいつもに増して騒がしい。
使用人であるアリスたちの声だけでなく、母であるバーバラの声も響いていた。
ユ「えっローナ、お母様!ちょっと待って!!寝間着が入らない!」
「はぁっ?!だから昨日にしとけって言ったじゃん!」
ユ「要るものは用意してたもん!入らないだけだもん!!」
10歳になった私たちローナとユアンは、今日、王立魔法学園の入学式を迎える。
レ「ユアン大丈夫か?手伝ってやろう」
ユ「レオお兄様!!ありがとう大好き!!」
溺愛してやまない弟に大好きと言われた我が家の長男レオお兄様は、照れながらユアンの元へ行った。
2年前に学園を卒業した彼は、今はお父様の付き人をしながら当主になるべく勉強している。
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