世界一幸せな国Ⅱ※執筆再開
バ「じゃあ早速試験に移ろうか。うちは魔力測定からだから化学実験室に移動するよ。ボールドウィン双子は後の子が困るからできるだけ壊さないように気を付けてね!」
「「はぁーい……」」
再度釘を刺された私たちは、不完全燃焼に終わるであろう試験を前にうなだれながら返事した。
ユ「……とはいってもさ、故意に壊すつもりはないけどお兄様も壊してるし僕ら仮に壊れちゃっても仕方ないし怒られないよね?」
ユアンがこそっと言った。
「何言ってんの?たしかに怒られないとは思うけど、やらかしたらバジルさんの言う通り後の人が困るよね……」
わたしが出力魔力について考えながら言うと、ユアンはニヤリと口角を上げた。
ユ「いやお父様ならローナが呼んだらすぐ来てくれる」
「それは確かにそうだけど、そういう問題じゃ……」
私たちが話していると、頭上から泣きそうにも聞こえる悲痛な声が聞こえた。
バ「双子……頼むから、もの壊さないで。……そして、大人しくしてくれ……」
イエロードルフィン全員をまとめなければならない最上級生の、心の底からの叫びだった。