世界一幸せな国Ⅱ※執筆再開
「ほんっとうにすみません……ほら、ユアンも謝る!」
ユ「言われなくても分かってるって。すみませんでした」
バジルさんの姿を見ていると、さすがにかつてやんちゃをしていた私でも申し訳なくなる。
バ「さぁ!」
バジルさんはパンっと両手を叩いて明るく言った。
バ「今度こそ試験するぞー」
バジルさんはユアンの頭にポンポンと手を置いて、
バ「そこまで気にしすぎなくても良い。楽しみなんだろ?」
と優しく微笑んだ。
わたしたちは、素敵な先輩に恵まれたようだ。
こうして、1日に渡る試験が幕を開けた。
化学実験室についたわたしたちは、6列に並んだ。
列の前方には魔力測定用の機械と、記録員の先輩、安全対策の防御魔法が両面に敷かれた仕切りのようなものが立っている。
機械に手を当てて、そこに魔力を集中させるのだ。
魔力測定は、体に含む総魔力だけでなくコントロール性でも結果の数値は変動してくる。
たとえ多くの魔力を保有していても、手に集中させることができなければ、測定器には当たらず分散してしまい、数値は小さく出てしまう。
なのでこの学園では、学期ごとに魔力測定を行い、コントロール能力の上昇や、基礎魔力の上昇も定期的に行っている。