世界一幸せな国Ⅱ※執筆再開
レ「ユアン、要らないのはこれだろ」
ユ「それは絶対いる!!」
冷たい目をしたレオお兄様が愛すべき弟の泣きそうな声を聞きながら出したもの。
「?!!ユアン!!なんで持って行こうとしてんの?!やめてよ恥ずかしい!!」
それは、私が書いた手紙の数々だった。
たまにユアンから他愛もない手紙が届いた。
その時に書いた返事を律儀に置いていたのだろう。
レ「俺はこんなの貰ってない。なんなんだよお前ら付き合ってるからってよぉ!」
お兄様は嫉妬に身を任せて手紙を次々に出していった。
「……お兄様は忙しいと思って。寮から送るから!」
私が慌ててフォローするとパァッと明るい表情をするお兄様。
こんな彼を見て、誰が次期宰相だと思うだろう。
レ「とはいえこれは要らない。週末は帰ってこれるんだから持っていくものは最小限にしろ。……ほら、小麦粉も持っていかない!」
バ「……えっ?こ……小麦粉?」
レオお兄様は、次々に荷物を出していった。
手は止まらずカバンの中の荷物はどんどんなくなっていく。
ユ「あぁっ!小麦粉だけじゃなくレシピ本まで!」
バ「ユアン……あなたなにしに学園に行くつもりなのよ……」
魔力が一斉に集中すると周辺地域にまで影響が起きるため、瞬間移動での登校が禁止されている王立魔法学園。
家から車が出なければいけない時間まで、30分を切っていた。