世界一幸せな国Ⅱ※執筆再開
ユ「ごめんおまたせっ!」
お兄様がユアンの荷物を整理したことで寝間着が入り、いよいよ出発だ。
バ「あなたっ!いい加減にしなさい!一家の主人がこんなのでどうするの?!」
お母様が壁の隅に怒鳴りつけた。
すると、そこにある塊はもぞもぞと動く。
ア「だってよぉ……俺の大好きなローナとユアンが……!」
そう言いながら上げたアーヴィンの顔は、涙でぐちゃぐちゃである。
バ「何回泣けば気がすむの!レオのときからずっと泣いてるじゃない!」
「……えっ?お兄様の時からずっと……?」
ア「ゔあぁぁぁぁん!!なんで全寮制なんだよぉぉぉぉ!」
動こうとしないお父様を引きずるお母様。
使用人もお兄様も呆れ顔だ。
まさかわが子5人皆の入学で泣いていたとは。
「……ここの宰相、本当にうちで継いで大丈夫?」
ユ「えぇーっと……」
泣き叫ぶお父様をみんなで慰めながら、一家を乗せた高級車は家を出た。
今日は、ただでさえ騒がしい家がいつもに増して騒がしい。