第一王子に、転生令嬢のハーブティーを
15.悪意
□
「アリシア、改めて言う。私と一曲踊って頂けないだろうか」
「は、はいっ……!喜んで」
アリシアは意を決して、差し出されたイルヴィスの手を取る。
(大丈夫、みっちり練習してきたし、イメージトレーニングもばっちり)
一つうなずいて顔を上げると、イルヴィスの美しい顔が間近にあった。どうしても密着するような形になるのだから当たり前か。
目が合うと、イルヴィスは薄く微笑み、アリシアの耳元で囁いた。
「力を抜いてリラックスしろ。純粋に踊るのを楽しめば良い」
音楽が流れる。アリシアは一つ深呼吸し、音楽に合わせて何度も練習を重ねてきたステップを踏んだ。
踊り始めてしまえば、体は案外簡単に動いた。練習の成果もあるだろうが、イルヴィスの動きが講師に負けないくらい上手く丁寧で、こちらも動きやすい。
(……ちゃんと踊れるとやっぱり楽しいな)
あっという間に一曲終わってしまった。
「上手いじゃないか」
イルヴィスが感心したように言う。
「ありがとうございます」
「早く貴女のことを紹介して回りたいところだが、せっかくだからもう一曲どうだろうか」
「もちろんです」
「アリシア、改めて言う。私と一曲踊って頂けないだろうか」
「は、はいっ……!喜んで」
アリシアは意を決して、差し出されたイルヴィスの手を取る。
(大丈夫、みっちり練習してきたし、イメージトレーニングもばっちり)
一つうなずいて顔を上げると、イルヴィスの美しい顔が間近にあった。どうしても密着するような形になるのだから当たり前か。
目が合うと、イルヴィスは薄く微笑み、アリシアの耳元で囁いた。
「力を抜いてリラックスしろ。純粋に踊るのを楽しめば良い」
音楽が流れる。アリシアは一つ深呼吸し、音楽に合わせて何度も練習を重ねてきたステップを踏んだ。
踊り始めてしまえば、体は案外簡単に動いた。練習の成果もあるだろうが、イルヴィスの動きが講師に負けないくらい上手く丁寧で、こちらも動きやすい。
(……ちゃんと踊れるとやっぱり楽しいな)
あっという間に一曲終わってしまった。
「上手いじゃないか」
イルヴィスが感心したように言う。
「ありがとうございます」
「早く貴女のことを紹介して回りたいところだが、せっかくだからもう一曲どうだろうか」
「もちろんです」