第一王子に、転生令嬢のハーブティーを
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夜会なんかの賑やかな催しは嫌いではない。第二王子であるロベルトは、会場の端から様子を眺めながら思う。
先ほどまで顔見知りですらない令嬢も含め、ひっきりなしにダンスの申し込みをされていた。そのせいでさすがのロベルトもかなり疲れた。
(そういえば初めの方に、兄上との息の合ったダンスでずいぶん注目されていたが……どこに行った?)
少しぼんやりすると、どうしても無意識のうちにアリシアの姿を探してしまう。
まだ今日は遠目にしか見ていないが、薄紫色のドレスがよく似合っていた。彼女の隣に並ぶのが自分だったらどんなに良かっただろう。
(……とまあ、考えても虚しくなるだけだが。それにしても本当にどこにいるんだ?兄上とは一緒にいないようだし)
もう一度会場をぐるりと見渡すが、やはり見つからない。代わりに、別の人物が目に止まった。
サラ・ローランという令嬢。
学園では同級生だったため、よく知っている。自信過剰で気の強い性格が好みではなかったので声を掛けたことはないが。
その彼女が会場の入口あたりで、ウェイターから飲み物を受け取り、上機嫌である。
(そういえば、あの女は第一王子の婚約者になるのは自分だと度々口にしていたな……)
夜会なんかの賑やかな催しは嫌いではない。第二王子であるロベルトは、会場の端から様子を眺めながら思う。
先ほどまで顔見知りですらない令嬢も含め、ひっきりなしにダンスの申し込みをされていた。そのせいでさすがのロベルトもかなり疲れた。
(そういえば初めの方に、兄上との息の合ったダンスでずいぶん注目されていたが……どこに行った?)
少しぼんやりすると、どうしても無意識のうちにアリシアの姿を探してしまう。
まだ今日は遠目にしか見ていないが、薄紫色のドレスがよく似合っていた。彼女の隣に並ぶのが自分だったらどんなに良かっただろう。
(……とまあ、考えても虚しくなるだけだが。それにしても本当にどこにいるんだ?兄上とは一緒にいないようだし)
もう一度会場をぐるりと見渡すが、やはり見つからない。代わりに、別の人物が目に止まった。
サラ・ローランという令嬢。
学園では同級生だったため、よく知っている。自信過剰で気の強い性格が好みではなかったので声を掛けたことはないが。
その彼女が会場の入口あたりで、ウェイターから飲み物を受け取り、上機嫌である。
(そういえば、あの女は第一王子の婚約者になるのは自分だと度々口にしていたな……)