第一王子に、転生令嬢のハーブティーを


「これ、すっごく美味しいです!」



 これは感動だ。普通に淹れたハーブティーに少量のミルクを加えて飲むことはあったが、それとも全然違う。

 今までどうして知らなかったのだろう。勿体なくて仕方がない。



「アリシア様ならそうおっしゃると思いました」


「後でもう一度詳しく作り方を教えてほしいわ!」


「おやすい御用です。王子たちにもお持ちしましょう」


「あ、わたし持っていきますね」



 時間が時間だし、ミルクティー自体が蜂蜜で甘みがあるので、お茶菓子はなし。



 イルヴィスとロベルトが待つ方へ行くと、二人は何やら談笑していた。

 あまりこの二人は仲が良くなかったように思っていたが、そんなこともなかったらしい。



「お待たせしました」



 声をかけると、アリシアに気がついた二人は、何故か気まずそうに顔を見合わせ苦笑した。あまり聞かれたくない話でもしていたのだろうか。



「ありがとうアリシア。貴女もそこに座るといい」


「では、お言葉に甘えて。失礼します」



 アリシアは気にしないふりをして、椅子に腰をかける。



「てっきりハーブティーを淹れているのかと思ったが、これはホットミルクか?」


「いえ、ミハイルさん特製のハーブミルクティーです。優しい味ですよ」



 
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