第一王子に、転生令嬢のハーブティーを
20.疑惑
□
ティータイムが予定していた時間よりも早く終わってしまった。
残されたアリシアは、先ほどまで部屋の外で待たせていたノアに手伝われながらティーセットを片付ける。
この後はハーブ園に行こうか。そう考えていたが、アリシアは少し思いとどまった。
「ノア、悪いけど先にハーブ園へ行っていてくれない?少し行きたいところがあって」
「行きたいところですか?構いませんが、ご一緒しますよ?」
「いいの。一人で行きたいから」
不思議そうに首をかしげたノアに、アリシアは微笑む。
ノアについてこられて不都合というわけではないが、説明が面倒である。今から行こうとしているのは、一介の王宮メイドに過ぎないニーナのところだからだ。
「大丈夫、すぐ終わるから」
「そうですか……わかりました」
アリシアはノアと別れて回廊を歩く。
広大な王宮で一人のメイドを探すというのはなかなか大変だ。
だが、気合いを入れて捜索したりせずともニーナを見つけてしまう自信はあった。
(これまでだって、会いたくもないのに巡り会っちゃってたわけだしね)
そんな予感はズバリ的中した。
「あ、アリシア様!」
ティータイムが予定していた時間よりも早く終わってしまった。
残されたアリシアは、先ほどまで部屋の外で待たせていたノアに手伝われながらティーセットを片付ける。
この後はハーブ園に行こうか。そう考えていたが、アリシアは少し思いとどまった。
「ノア、悪いけど先にハーブ園へ行っていてくれない?少し行きたいところがあって」
「行きたいところですか?構いませんが、ご一緒しますよ?」
「いいの。一人で行きたいから」
不思議そうに首をかしげたノアに、アリシアは微笑む。
ノアについてこられて不都合というわけではないが、説明が面倒である。今から行こうとしているのは、一介の王宮メイドに過ぎないニーナのところだからだ。
「大丈夫、すぐ終わるから」
「そうですか……わかりました」
アリシアはノアと別れて回廊を歩く。
広大な王宮で一人のメイドを探すというのはなかなか大変だ。
だが、気合いを入れて捜索したりせずともニーナを見つけてしまう自信はあった。
(これまでだって、会いたくもないのに巡り会っちゃってたわけだしね)
そんな予感はズバリ的中した。
「あ、アリシア様!」