第一王子に、転生令嬢のハーブティーを
3.魅惑のハーブ園
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王宮から自宅へ戻ったアリシアは、自室に入るなりベッドへ倒れ込んだ。
「あああ疲れた〜」
「お疲れ様でした、お嬢様。風呂の準備ができておりますが、どうなさいますか?」
「入るわ。ローズマリーの石鹸を用意してもらえる?」
「かしこまりました」
指示を聞いたメイドが部屋を出たのを確認して、アリシアはベッドの下から一冊のノートを取り出した。
この世界についての記憶を整理するため、昨日から書き始めたものだ。
(王子の印象は、ほぼ漫画の通りね)
漫画のあらすじは昨日一生懸命に思い出したのだが、何せ1回読んだだけのシリーズだ。細かい出来事までは思い出せない。
それに、思い出したところで『アリシア・リアンノーズ』は中盤以降出てこないキャラクター。そこまで役には立たないかもしれない。
(でも、あの人がラベンダーが好きだというのは本当なのかしら)
ノートの白紙のページに『イルヴィス王子』、その隣に『ラベンダー』と書き込んでグルグル囲った。
そんな設定があれば、前世の“彼女”でも親近感が湧いて覚えていそうなものなのだが。
(まあでも、彼だって主人公ではないし、そんな細かい設定まで描かれてないか)
王宮から自宅へ戻ったアリシアは、自室に入るなりベッドへ倒れ込んだ。
「あああ疲れた〜」
「お疲れ様でした、お嬢様。風呂の準備ができておりますが、どうなさいますか?」
「入るわ。ローズマリーの石鹸を用意してもらえる?」
「かしこまりました」
指示を聞いたメイドが部屋を出たのを確認して、アリシアはベッドの下から一冊のノートを取り出した。
この世界についての記憶を整理するため、昨日から書き始めたものだ。
(王子の印象は、ほぼ漫画の通りね)
漫画のあらすじは昨日一生懸命に思い出したのだが、何せ1回読んだだけのシリーズだ。細かい出来事までは思い出せない。
それに、思い出したところで『アリシア・リアンノーズ』は中盤以降出てこないキャラクター。そこまで役には立たないかもしれない。
(でも、あの人がラベンダーが好きだというのは本当なのかしら)
ノートの白紙のページに『イルヴィス王子』、その隣に『ラベンダー』と書き込んでグルグル囲った。
そんな設定があれば、前世の“彼女”でも親近感が湧いて覚えていそうなものなのだが。
(まあでも、彼だって主人公ではないし、そんな細かい設定まで描かれてないか)