第一王子に、転生令嬢のハーブティーを


「お嬢様!どうなさったのです!?お嬢様!お嬢様!」


「アリシア!?聞こえるか、アリシア!おい、医者を呼べ!」



 明らかに様子のおかしいアリシアを見て、父や使用人たちが慌てふためいている。



(ああ、どうして気が付かなかったのよ)



 アリシアは苦痛に顔を歪めながら思う。



(アリシア・リアンノーズ。そんな名前のキャラが出てくる漫画、読んだじゃない)



 決して主人公ではなく、むしろ脇役、というか悪役。しかも中盤までしか出てこない。そんなキャラクター。

 それが記憶の奥底にあった『アリシア・リアンノーズ』の姿だった。



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