第一王子に、転生令嬢のハーブティーを
次の日も同じようにして終わり、またその次の日からは二日続けて雨が降り作業は中止になった。
二日間の作業で人手が必要だと確信したアリシアは、その中止になった日のうちに、多少気まずいながらもノアに手伝ってもらえないだろうかと申し出た。
するとノアは、少し呆れたように肩をすくめて笑った。
「城へ行くのに呼ばれなくなったと思っていたら、お一人で行ってらしたんですね」
「だってノア、怒ってたから」
「まさか、怒ってなどおりません。少し呆れはしましたけど。
お嬢様の、変人の域とまで言っても過言ではないほどのハーブへの執着は、今に始まったことではありませんから」
「変人の域……?」
「わたくしこそ、先日は訳の分からぬことを言って申し訳ありませんでした。わたくしで良ければ、お手伝いさせてください」
少しつっこみたいところはあるが、どうやら手伝ってくれる気になったようなので、追及するのは止めておいた。
かくして、みごと快晴となった翌日に、人手が増えた状態で作業を再開させることができた。
ノアはどのような仕事でもそつなくこなす女だ。ミント駆除の作業も、手順を教えればすぐにできるようになった。