第一王子に、転生令嬢のハーブティーを
□
(タイムの他には…ローズマリー、レモンバーム……あ、カモミールもいいわね)
温室で、アリシアは鼻歌でも歌い出しそうなくらいに嫌良くハーブを摘み取っていた。
大量につくったドライミントは分けてもらえると言われたので、ミハイルの許可を得て、ミントとブレンドできそうなハーブを集めているのだ。
(ミハイルさんとノア、遅いわね。どこまで散歩しに行っているのかしら)
アリシアは手を止めて汗をぬぐう。
ミハイルは先ほど、まだ庭園に慣れていないノアのため、周辺を案内しに行くと言って出ていったのだが、なかなか戻ってくる気配がない。
(実は二人、すごく仲良くなってるかも。お互いの身の上を話すうちに一気に距離が縮まって恋に発展……なんてことがあったりして)
前世から受け継いだ生粋の少女漫画脳でそんな想像をする。
自分が恋することは今ひとつピンとこないアリシアだが、他人の恋模様を想像するのは大好きだ。
温室の入口辺りに、誰かの気配がした。恐らく二人が戻ってきたのだろう。
「お帰りなさい!庭園の散策はどうだっ……た……」
言いながら振り返り、途中で言葉を失った。だがそれは無理もなかろう。
(タイムの他には…ローズマリー、レモンバーム……あ、カモミールもいいわね)
温室で、アリシアは鼻歌でも歌い出しそうなくらいに嫌良くハーブを摘み取っていた。
大量につくったドライミントは分けてもらえると言われたので、ミハイルの許可を得て、ミントとブレンドできそうなハーブを集めているのだ。
(ミハイルさんとノア、遅いわね。どこまで散歩しに行っているのかしら)
アリシアは手を止めて汗をぬぐう。
ミハイルは先ほど、まだ庭園に慣れていないノアのため、周辺を案内しに行くと言って出ていったのだが、なかなか戻ってくる気配がない。
(実は二人、すごく仲良くなってるかも。お互いの身の上を話すうちに一気に距離が縮まって恋に発展……なんてことがあったりして)
前世から受け継いだ生粋の少女漫画脳でそんな想像をする。
自分が恋することは今ひとつピンとこないアリシアだが、他人の恋模様を想像するのは大好きだ。
温室の入口辺りに、誰かの気配がした。恐らく二人が戻ってきたのだろう。
「お帰りなさい!庭園の散策はどうだっ……た……」
言いながら振り返り、途中で言葉を失った。だがそれは無理もなかろう。