第一王子に、転生令嬢のハーブティーを
8.第二王子
□
「このハーブは?」
「カレンデュラです。オレンジが鮮やかで綺麗でしょう?」
イルヴィスとのティータイム。最初の3回目くらいまでは憂うつで仕方がなかったが、回を重ねるごとに、この時間を楽しいと感じられるようになってきた。
彼とはそう多くの会話を交わすわけではないが、噂されるほどに冷淡な人物だとは感じられない。
「確かに、これは目にも楽しいな」
「はい!……ただ、味の方は良く言えばまろやか、悪く言えばかなり薄いです。濃く淹れてはみましたが、蜂蜜なんかで味を調整した方が良いかもしれません」
コポコポと音を立てながらカレンデュラティーをカップに入れる。
優しい黄色のお茶に、アリシアの頬がふっと緩んだ。
「どうぞお召し上がりください」
「頂こう」
イルヴィスがその形の良い唇にティーカップを付けるのを、アリシアは少し緊張しながら見守る。
「スプーン一杯分だけ、蜂蜜を足してもらえるか?」
彼は薄く目を閉じて言った。アリシアは言われた通りに蜂蜜をすくい、クルクルとかき回した。
再びイルヴィスはカレンデュラティーを口に含み、今度はゆっくりうなずいた。
「うん、悪くない……」
「このハーブは?」
「カレンデュラです。オレンジが鮮やかで綺麗でしょう?」
イルヴィスとのティータイム。最初の3回目くらいまでは憂うつで仕方がなかったが、回を重ねるごとに、この時間を楽しいと感じられるようになってきた。
彼とはそう多くの会話を交わすわけではないが、噂されるほどに冷淡な人物だとは感じられない。
「確かに、これは目にも楽しいな」
「はい!……ただ、味の方は良く言えばまろやか、悪く言えばかなり薄いです。濃く淹れてはみましたが、蜂蜜なんかで味を調整した方が良いかもしれません」
コポコポと音を立てながらカレンデュラティーをカップに入れる。
優しい黄色のお茶に、アリシアの頬がふっと緩んだ。
「どうぞお召し上がりください」
「頂こう」
イルヴィスがその形の良い唇にティーカップを付けるのを、アリシアは少し緊張しながら見守る。
「スプーン一杯分だけ、蜂蜜を足してもらえるか?」
彼は薄く目を閉じて言った。アリシアは言われた通りに蜂蜜をすくい、クルクルとかき回した。
再びイルヴィスはカレンデュラティーを口に含み、今度はゆっくりうなずいた。
「うん、悪くない……」